進まぬ構造計算ソフト開発で住宅着工遅れ
改正建築基準法に基づく新たな構造計算ソフトの大臣認定が進んでいない。国土交通省は平成19年中の認定を目指していたが実現せず、認定ソフトはいまだ存在しないまま。住宅着工の遅れを招きかねず、同省は先行しているNTTデータの開発品を21日に「仮認定」し、国指導のもと認定取得を進める異例の措置を打ち出した。しかし、特定企業の開発に国が関与する手法には「公平性を欠く」との声もあがっている。
昨年6月施行の改正建築基準法では、大臣認定ソフトを使用した構造計算の場合、建築確認の審査期間は35日以内で、使用しない場合は70日以内と規定している。だが、肝心の認定ソフトができないため、住宅着工を遅らせる要因になっている。
耐震偽装事件の教訓から、新たな認定ソフトには改竄(かいざん)防止機能や多様な設計に対応する汎用性を備える必要があり、国交省は認定の遅れについて「改竄防止機能などを備えるのに手間取った」としている。
しかし、あるメーカー担当者は「プログラムを作る教科書になる技術基準解説書が改訂されたのは昨年8月で、説明会が開かれたのは9月。開発に1年かかることを考えれば、昨年中の認定など到底無理だった」と国交省の対応に首をかしげる。
住宅着工の遅れは景気悪化に結びつきかねず、同省は急遽(きゅうきょ)、NTTデータが認定に向けて開発を進めているソフトを21日に「仮認定」する方針を固めた。国費を投入してゼネコンや設計事務所、建築確認検査機関などの協力を仰いだコンソーシアムを組織し、約1カ月かけてプログラムの問題点を洗い出す「バグ出し」作業を行うという。
同省は2月末にもNTTデータのソフトを正式認定したい意向だが、他のメーカー担当者からは「バグ出しは通常なら数カ月から半年かけて行う作業。100万~200万行という膨大なプログラムのバグ出しをわずか1カ月でできるのか」「コンソーシアムに参加するゼネコンがどこまで本気になって洗い出し作業をするか疑問。認定後に不具合が起きたら責任はどこがとるのか」との声も聞かれる。
1月21日8時0分配信 産経新聞
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